こんにちは。
今日は、「APWフォーラム&プレゼンテーション2015~樹脂窓が実現する健康でローエネな暮らし」と題したYKKapの講演会へ行ってきました。
樹脂窓の商品見学とプレゼンテーション、近畿大学建築学部の岩前教授の講演と、盛りだくさんの内容でした。
2014年に省エネ基準の大改訂が行われ、2017年に一般建築物省エネ基準義務化、2020年には住宅省エネ基準義務化が控えています。
外皮に当たる「窓」の断熱・機密性能を向上させる樹脂窓の特徴についての説明や、なぜ住宅の省エネ性能を向上させる必要があるかなどの説明があり、とても参考になりました。
省エネ基準の改正内容としては、下記3つが該当します。
(1)外皮の熱性能
(改正前) 年間暖冷房負荷/熱損失係数・夏期日射取得係数
(改正後) 外皮平均熱貫流率・冷房期の平均日射取得率の基準
(2)一次エネルギー消費量基準の導入
(改正前) 基準無し
(改正後) 外皮(外壁や窓等)の熱性能のみの基準に、建物全体の省エネルギー性能を評価する「一次エネルギーの消費量」の基準の追加導入
(3)地域区分の変更
(改正前) 6区分
(改正後) 8区分(より詳細に区分されている)
基準改正後、これらの基準に該当しない新築住宅は、資産価値が下がるなどの措置が取られるようになります。
では何故、住宅の省エネ基準を高めていく必要があるのでしょうか。
ひとつは、日本の住宅の省エネ性能が欧米と比較して低いということが挙げられます。
それに加え、日本のエネルギー自給率(原子力発電を除く)はわずか5%程度であり、石油などを輸入に頼っているため、少ないエネルギーでやりくりしていくことが必要とされています。
少ないエネルギーで快適な生活を送るということが、省エネ基準に適合することで改善されてくるのです。
また、日本の月別死亡率についてですが、1910年の時点では夏期が高く冬期が低いというデータが残っているそうなのですが、1970年になると逆転し、冬期が最も高く夏期が低いという現象が起きています。
死亡者数の季節性からも現代の住宅には、機密性をより向上させ、過度な寒さからのリスク回避を図ることが求められているということが分かります。
他にも、諸外国の住宅の省エネ基準についてや健康改善率、温度差の危険性などについてもご講演いただきました。
このような場をご提供いただきました、YKKap様、ご講演いただきました岩前教授、本日はありがとうございました。
私どもも、改正省エネ基準に関してはまだまだ勉強中ではありますが、省エネルギーで快適な空間とはどのようなものか、どうやって実現していくかなどにご興味のある方は、是非お気軽にご相談ください。
2015年9月11日 横田