ガラスの性能(4)

こんにちは。

今日はガラスの性能(1)~(4)の最終回、複層ガラスについてです。

⑨ 複層ガラス(断熱性)

⑩ Low-Eガラス(日射遮蔽性・断熱性)

⑪ 合わせガラス(安全性)

の3種類のガラスについて紹介していきたいと思います。

⑨の複層ガラス(ペアガラス)は、2枚のフロートガラスの間に、空気層を設けたガラスです。

単層ガラスに比べ、断熱性と結露防止に関する性能が高いガラスで、省エネ効果が期待できます。

後述するLow-Eガラス、合わせガラスも複層ガラスの一種で、他にも3枚のガラスを組み合わせた「三層ガラス」や、2枚のガラスの間を真空状態にした「真空ガラス」などもあります。

⑩のLow-Eガラスは酸化スズや銀などの特殊な金属膜をガラスの表面にコーティングした、低放射ガラスです。

このLow-E膜が、赤外線の反射率を高めているので、採光・透明感を確保しながら日射を遮蔽したり、断熱効果を高めることができます。

夏期の日射遮蔽性を重視する場合は、複層ガラスの室内側に、冬期の断熱性を重視する場合は、複層ガラスの屋外側にLow-E面を使用します。

省エネにも非常に効果の高いガラスですが、コストが高くなるという短所もあります。

⑪の合わせガラスは、2枚または数枚のガラスの間に強力な接着膜を密着させたものです。

破損しても樹脂フィルムの中間膜により破片がつながっているので、飛散せずにクモの巣状のひびが入るだけで、物が貫通しにくいという特徴があります。

自動車のフロントガラスにも用いられているのもこの、合わせガラスです。

また、中間膜の膜厚を通常の2倍以上にすると、ガラス破りに時間をかけさせることができるため、防犯性能が高くなります。

短所としては、他の複層ガラスのように空気層がないため、断熱性能の向上はあまり期待できない点が挙げられます。

以上、全4回にわたっての、ガラスの性能についての紹介でした。

今回紹介したガラス以外にも、色々なガラスがあります。

良い性能をもつガラスは、それだけコストもかかってきますが、通常のガラスと組み合わせながら建物や部屋の用途に合わせて使用していくと、環境に優しい建築となります。

新築やリフォームをお考えの際に、ガラスの種類についてもご相談いただけると嬉しい限りです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2015年5月21日 横田

 

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